新着論文:平成26年8月豪雨による広島市土石流災害の被害の特徴

Posted by Takuro Ogura on 9/22/2019 with No comments
本プロジェクトの内山庄一郎さんの論文が自然災害科学に掲載されました。

内山庄一郎・須貝俊彦 2019. 平成26年8月豪雨による広島市土石流災害の被害の特徴.自然災害科学 38. 57-79.
(クリックするとPDFで本文を閲覧できます)

要旨
2014(平成26)年 8 月20日に広島県広島市で発生した土石流災害について,無人航空機(UAV)撮影と SfM 写真測量により土砂堆積量を計測し,地質による被害特性の差異を明らかにした。人的被害は,谷出口から平均132 m の範囲で発生し,これは建物被害域よりも小さかった。建物被害域は,ホルンフェルス地域よりも花崗岩地域のほうが範囲が大きかった。また,ホルンフェルス地域では,建物が土石流を停止させる働きを示したが,花崗岩地域では,細粒な土砂が建物の間を通って,より遠方まで到達した。これらの結果は,このイベントにおける土石流の到達範囲が,沖積錐の地形発達範囲と同等か,それよりも小さいことを示している。