2018/12/25

PEPS特集号(SPEPS)「高精細地形地物情報の地球科学的応用」完成

▶︎以前の記事は【こちら】 JpGUの学術誌『Progress in Earth and Planetary Science(PEPS)』で我々による編集が進んでいた特集号「High-definition topographic and geophysical data in geosciences」(高精細地形地物情報の地球科学的応用)が,完成しました。 "High-definition topographic and geophysical data in geosciences" Associate Editors Yuichi S. Hayakawa (Hokkaido University) Thad A. Wasklewicz (East Carolina University) Hiroyuki Obanawa (National Agriculture and Food Research Organization) Shigekazu Kusumoto (University...

2018/12/18

開催報告:横浜市立千秀小学校 小大連携授業2018

2018年12月18日(火)に横浜市立千秀小学校にて出張授業を行いました。その様子を一部報告いたします。 本企画は、田谷の洞窟保存実行委員会のプロジェクトの一環として、第6学年の総合的な学習の時間で行われたものです。小学生たちは田谷の洞窟を中心とした地域学習を1年間継続して行っており、その集大成として3学期に田谷の洞窟の大型地形模型を製作します。 この授業は、その導入として、 自分たちの住んでいる地域の地形・地質にはどんな特徴がある? 地形・地理情報を手に入れるためにはどんな手段がある? という2つのテーマで授業を行いました。 地形・地質概要は小口千明先生(埼玉大学)が担当し、写真測量の手法や環境調査の事例については早川が担当しました。 昨年度の卒業生が製作したこの地域の大型地形模型も活用し、写真測量の原理について学びました。 地上レーザ測量の成果を出力した田谷の洞窟3Dプリントモデルも大活躍。 「"手乗り"田谷の洞窟」かなり細かく再現されています。 地域の地形・地質概要については、小口先生が担当されました。 地理院地図を用いて、地形・地質の見方を養いました。 児童たちは作成した田谷の洞窟の大型地形模型を、卒業式でお披露目する予定です。完成するのが非常に楽しみですね! ――――――――――――――――――――――――――――― ●昨年の報告会の様子(過去のブログ記事) ・田谷の里山・地形模型完成披露会 ●関連する学会発表 ・小倉拓郎・早川裕弌・中田康隆・田村裕彦・小口千明・清水きさら・山内啓之・小口...

2018/12/09

中国・華僑大学での招待講演 / invited talks at Huaqiao University, China

中国の泉州と厦門にある華僑大学で、高精細地形情報と景観に関した講演会が行われました。本プロジェクトの早川が講師に招かれ、観光学部、工学部、公共政策学部、建築学部のそれぞれで話題提供をし、双方に関連する課題や共同研究について意見交換を進めて来ました。 There were seminars on high-definition topography data and landscapes at Huaqiao University, located at Quanzhou and Xiamen in China. The project leader Hayakawa was invited to provide lectures at colleges of tourism, engineering, political science and public administration, and architecture, and discussed related issues...

2018/11/28

EGU 2019 session "NH6.4/G6.5/GI3.22/GM2.14 Remotely Piloted Aircraft Systems (RPAS) and geosciences: innovation in methodologies, sensors and activities" / 欧州地球科学連合2019セッション「無人航空機と地球科学」発表募集

our RPAS session (PICO style) in EGU2018 恒例のEGU(欧州地球科学連合)での無人航空機セッションですが、従来の「自然災害」へのフォーカスから、2019年はより広い範囲へと対象を拡大します。前年はPICOセッションでしたが、多くの方が観覧され、席が足りないほどでした。2019年は通常の口頭&ポスターセッションになります。欧州に限らず、日本を含む東アジアにお住まいの、またその他の地域の皆様からも、多くの発表をお待ちしております。 Remotely Piloted Aircraft Systems (RPAS) and geosciences: innovation in methodologies, sensors and activities (co-organized)  Session NH6.4/G6.5/GI3.22/GM2.14 at EGU 2019 (Wien, 7-12 April 2019) A full...

2018/11/25

NHESS特集号「自然災害のモニタリングと防災のための無人航空機(ドローン)の活用」完成

▶︎ Call for papers は 【こちら】 EGU(欧州地球科学連合)の発行する学術誌NHESS(Nat. Hazards Earth Syst. Sci.)において進められていた,無人航空機(ドローン)と災害に関する特集号の編集が完了しました。イタリア,オランダ,日本からの研究者が共同して組んだ特集号です。 "The use of remotely piloted aircraft systems (RPAS) in monitoring applications and management of natural hazards" Editor(s): D. Giordan, Y. S. Hayakawa, F. Nex, and P. Tarolli 【 https://www.nat-hazards-earth-syst-sci.net/special_issue859.html 】 UAV,UAS,RPA,RPAS,Drone などと呼称はさまざまですが,無人航空機はもはや「一家に一台」から「ひとり一台」というほどに,地球科学の分野でも普及してきました。 なかでも特に自然災害に関しては,小型無人航空機がさまざまな場面で有益なツールとなります。 本特集号には,小規模な崩壊から大規模崩壊までの斜面災害を軸に,地震,洪水,また災害時の緊急警報や救助活動への活用といったさまざまなトピックの論文が,16本も集まりました。本特集号からは,無人航空機と自然災害にかかる最新の知見を得ることができます。特集号の詳細については下記Preface...

2018/11/09

新着論文:雪崩災害調査とUAV-SfM

雪崩災害とUAV,SfMに関する論文が出版されました。 本文も下記URLからPDFでご覧いただけます。 内山 庄一郎・鈴木 比奈子・上石 勲・中村 一樹 (2018) 雪崩災害調査へのUAV-SFMの適用: 2017年那須町雪崩災害の事例. 自然災害科学, 37, 119-135. https://www.jsnds.org/ssk/ssk_37_s.html ...

新着論文:サーモカルストのUAV調査

シベリアでドローン飛ばして,サーモカルストを計測した論文が出版されました。 オープンアクセスジャーナルで,全文を以下URLからご覧いただけます。 Saito, H., Iijima, Y., Basharin, N.I., Fedorov, A.N., Kunitsky, V.V. (2018) Thermokarst development detected from high-definition topographic data in central Yakutia. Remote Sensing 10, 1579. https://doi.org/10.3390/rs10101579 (source: Saito et al. 2018 Fig. ...

2018/09/11

開催告知:地理情報システム学会第27回学術研究発表大会ハンズオンセッション

地理情報システム学会にて、以下のハンズオンが開催されます。 ○地理情報システム学会第27回学術研究発表大会ハンズオンセッション 「SfM写真測量によるマッピング」 日時:10/21(日)12:20-14:00 場所:11号館108 講師:内山庄一郎(防災科学技術研究所) http://www.gisa-japan.org/file/HTsession_0910.pdf 持ち物: 以下のソフトウェアをインストールしたPCと電源アダプタをお持ちください。 ソフトウェア:Agisoft PhotoScan Professional Edition ライセンスをお持ちでない場合は、メーカーWebサイトから30-Day trialをお申込みください。(10/21より前に期限が切れないようにご注意ください) http://www.agisoft.com/ ※インストールするソフトウェアは、Professional Editionです。もう一方のエディションは地理情報が扱えません。 参考文献: 1)SfMの基本原理 内山・他、2014:SfMを用いた三次元モデルの生成と災害調査への活用可能性に関する研究 http://dil-opac.bosai.go.jp/publication/nied_report/index.html 2)昨年の資料(改訂する予定) SfM多視点ステレオ写真測量による地形モデリングの基礎 https://hdtopography.github.io/learning/book/SfM-MVS/GIS_uchiyama/ 3)ドローンの基礎 必携...

2018/08/18

開催報告: ひらめき☆ときめきサイエンス2018「ダンボールで島と滝をつみあげよう!~さわってわかる高精細3D情報~」

夏の厳しい暑さが少しやわらいだ8月下旬,「ひらめき☆ときめきサイエンス」のプログラムとして,ダンボールを使った3次元高精細地形情報の工作ワークショップを実施しました。 [告知ポスターはこちら] 「高精細地形情報」というのは,最近流行のドローン(小型無人航空機:UASもしくはUAV)や,レーザ測量などの手法により得られる,これまでにない細密さをもつ3次元データです。本プロジェクトでは,地球科学や自然地理学の関連分野で,その先進的な手法を用いた現地計測,およびデータ解析から成果表現までを,一連の流れとして研究しています。本ワークショップにおいても,データの現地計測の場面紹介から,調査機器を見て触る機会も設けつつ,実際に小型のドローンを室内で飛行させるといった経験もしてもらい,その上で,異なる時期に得られた3次元データの特徴を生かして,海岸侵食が急速に進行している雀島(千葉県いすみ市)の計測に基づく2時期のモデルをダンボールで作成することにしました。 午前にはまず,研究目的や手法とその結果などについての解説を行い,続けて調査機材(レーザスキャナや小型〜大型のドローン,さらに印刷中の3Dプリンタ)の見学やタッチ&トライで,データ取得の流れを体験してもらいました。さらに昼休みにはトイドローン(小型軽量で衝突しても安全なドローン)を受講生に実際に操縦してもらいました。こうして徐々に受講生のヴォルテージが上がってきました。 座学が始まります。机の上に積まれたダンボールが,この後どうなるのでしょうか・・・? 測量機材や3Dプリントされたものの説明を受け,触ってみます。 昼休み,トイドローンをひとりひとり操縦してみます。 午後,いよいよダンボールを用いた工作の開始です。まずは3Dモデルのスライス画像がプリントされた紙を,ダンボールにスプレーのりで貼り付けていきました。そして長い道のりだったのが,紙上のスライス画像に沿って,ダンボールごと切り抜いていく作業です。受講生は各種のカッターやハサミを駆使してダンボールの切り抜きに挑みましたが,なかなか苦心していた様子でした。 ダンボール切り抜きに真剣に取り組む受講生。 みんなで作業。 しかし,徐々に終盤に近づき切り抜かれたパーツが揃ってきて,仮組みで重ね合わせて積み上げの完成予想を行うと,ゴールが見えて一気に気力を取り戻した雰囲気になりました。最後に,切り抜いたパーツの裏面にひとつひとつスプレーのりをふきかけ,丁寧に位置を合わせて重ねていくと,島の巨大なダンボールモデルが二つ完成しました。 少しずつパーツが出来上がってきました。  パーツを順に並べてみます。 仮組みしてみます。でかい! パーツごとにスプレーのりを吹きかけます。 ダンボールモデル完成! 左は2016年,右は2014年の計測データに基づくもので,違いを見て触って確かめます。 この二つは,2年の間隔をあけて計測されたデータに基づくものであり,波による侵食や落石等によって形の変わった二つのモデルを見て,触って,どこがどう変化したか,またそれはなぜか,といったことを議論しました。最後に一人ずつ修了証を配布し,完成したダンボールモデルとともに集合写真を撮影して,本ワークショップは無事に終了しました。 集合写真。作成した雀島のダンボールつみあげモデル(“しまつみ”)とともに。 今後も同様なワークショップを,継続的に開催していきたく思います。ちなみに今回,日光・華厳滝のダンボールモデルについては,自宅学習用にキットとして持ち帰ってもらいました。こうした制作キットも今後各種作成し,配布することも計画しています。 お持ち帰りとした制作キット(華厳滝のダンボールモデル“たきつみ”A5版)の完成品。 もし,本ワークショップに関してご質問,ご要望等がありましたら,topography...

2018/07/29

開催報告:JGU夏の学校2018 in 北海道「UAS(ドローン)地形計測のさらなる進化」

日本地形学連合「JGU夏の学校2018」が、2018年7月29日(日)、北海道大学大学院農学院で開催されました。 開催告知・ポスターは[こちら]。 公開資料(GitHub/GitBook) [GNSS解析処理とSfM] [点群データ処理] 以下には当日の様子を、写真を中心にお伝えします。 当日のプログラム。 午前に座学、午後に実習といった構成です。 参加者はどこから?(背景:地理院地図) 北海道開催なものの、意外と本州からの参加者も多かったです。 外は晴れ。北海道としては暑い日々が続いています。 しめやかに始まりました。 参加者全員、自己紹介。 午前の座学。UASの基礎と活用事例(小花和先生)。 午前の座学。低価格高精度GNSSの紹介と実践(内山先生)。 午前の座学。活用事例、UAS-Lidarの例を中心に(笠井先生)。 熱心な質疑応答。 白熱する質疑応答。 溢れ出したポ...

2018/07/01

開催告知:JGU夏の学校2018 in 北海道「UAS(ドローン)地形計測のさらなる進化」

▶︎ 無事に終了しました。開催報告は[こちら] 恒例のJGU夏の学校を本年も開催します。今年は,「UAS(ドローン)地形計測のさらなる進化」というテーマです。夏の札幌,北海道大学での開催となります。 近年,UAS(UAV,ドローン)を用いたSfM多視点ステレオ写真測量は,地形学やその関連分野でも一般的なツールとして広く普及してきました。本講習会では,高精度化デバイス(低コスト高精度GNSS),解析手法(点群データ処理),運用の高度化(安全運用,規制の動向)に関する最新の情報を共有し,UAS地形計測のさらなる進化を目指します。 日程 2018年 7月 29日[日] 場所 北海道大学大学院農学院 総合研究棟W109 https://www.agr.hokudai.ac.jp/i/access 講師 内山庄一郎,小花和宏之,笠井美青,早川裕弌 プログラム(仮) 第1部 座学(午前)  UAS地形計測の基礎  ・UAS-SfM  ・低コスト高精度GNSS  ・事例研究 第2部...

2018/06/10

開催告知:ひらめき☆ときめきサイエンス2018「ダンボールで島と滝をつみあげよう!」

おかげさまで、本ワークショップは無事に開催終了いたしました。 ▶︎[当日の様子はこちら] 地理や地学に興味のある小・中・高校生の皆さん! 夏休みに東京大学のキャンパスで一緒にサイエンスしませんか!? 詳細は以下の概要・ポスターをご覧ください。お待ちしております。 (申込受付は先着順となります) ダンボールで島と滝をつみあげよう!~さわってわかる高精細3D情報~ 日時:8月18日(土)10:00~16:00 対象:小学5・6年生 講師:早川裕弌,小倉拓郎(東京大学空間情報科学研究センター)ほか 内容:ドローンやレーザ測量で取得した地形データを用いたダンボール工作 ...

2018/05/22

short report: JpGU 2018 session "HIGH-DEFINITION TOPOGRAPHY AND GEOPHYSICAL DATA ANALYSIS" / 日本地球惑星科学連合2018年大会国際セッション「高精細地形・地球物理データ解析」開催報告

JpGU2018 開催初日の日曜日、高精細地形・地球物理データ解析のセッションが行われました。皆様ありがとうございました。 Our session on high-definition topography and geophysical data analysis was held on Sunday, the first day of JpGU meeting. Thanks for all joined! 口頭発表会場は隣接ホテルの大きめな部屋でした。 今回、1コマのみでしたが、50名くらいの方にお越しいただきました。 The oral session was held at a large room of the neighboring hotel.  Around 50 audiences came to this session.  ポスターセッションも盛況でした。地表だけでなく、地下、水中など、さまざまなアプローチがあり、議論が深まりました。 Fruitful...

2018/05/12

JpGU2018 地形鮮明化プロジェクト 発表リスト

 5月20日(土)~5月24日(木)に幕張メッセで「日本地球惑星科学連合2018年大会(JpGU)」が行われます。本日ホームページにて予稿PDFが公開されました。地形鮮明化プロジェクト関連発表をまとめました。 また、地形鮮明化プロジェクトでは、5月20日(土)PM1のコマに、セッション M-TT35:"HIGH-DEFINITION TOPOGRAPHY AND GEOPHYSICAL DATA ANALYSIS"(高精細地形・地球物理データ解析)も主催します(EGU, AGUとのJoint Session)。 ※リスト中の[EE]は英語セッション、[JJ]は日本語セッションです。 ● 海岸砂丘 [MTT35-04] Evaluating the current status of the zonation of coastal dune vegetation in the Boso Peninsula using UAS-SfM photogrammetry *中田 康隆、小口 高、早川 裕弌 [M-TT35] 高精細地形・地球物理データ解析 [EE] 口頭発表   | セッション記号 M (領域外・複数領域)   | M-TT 計測技術・研究手法 2018年5月20日(日)...